属人化していた営業情報と在庫管理を可視化し、戦略的な業務運用基盤を構築

ご相談時の状況とご要望
クライアントは、量販店への卸売を主軸とする一方、その先にいる地域の組織・団体において、継続的に同一商品が採用されるケースが多い事業構造であった。しかし、組織・団体での商品の採用情報は営業担当者のみが把握しており、会社全体で一元的に管理できていなかった。そのため、データ分析や施策立案といった戦略的な営業活動に十分活かせていないという課題を抱えていた。
また、商材の在庫管理については、Excelで管理するアナログな運用が中心であり、在庫切れによる機会損失や、過剰な在庫確保につながりかねない状況であった。
こうした状況を踏まえ、営業戦略と在庫管理の両面を整理し、データを軸とした業務運用を実現するため、アイチームに相談が寄せられた。
planning
企画
本プロジェクトで構築するシステムは、複数部門が利用者となり、業務目的や優先順位の違いから要望が相反する状況が想定された。また、情報システム部門主導ではなく現場部門主導で進行していたため、基幹システムとの連携においても調整役が不可欠な状況であった。
そこでアイチームは、PM(プロジェクトマネージャー)として参画し、クライアント側の意思決定や部門間調整も含めた統合的なマネジメントを主導した。現場担当者と直接対話を重ねながら業務内容と運用ルールを整理し、実運用を前提とした要件定義を実施。あわせて、基幹システムのベンダーとも直接コミュニケーションを取り、受注データや在庫情報の連携内容を整理し、開発・運用の足並みをそろえながらプロジェクトを推進した。
さらに、営業戦略の立案に活用できるよう、顧客データを俯瞰して把握できるダッシュボードを設計。単なる可視化にとどまらず、クライアントが描く将来構想を踏まえ、現場で蓄積されるデータを経営判断へとつなげる仕組みとして、システム全体の設計をした。
result
結果
システム導入により、組織・団体向け商材の確保状況や受注期限を可視化するとともに、在庫引き当てや自動解放、アラート通知といった仕組みを整備。これにより、在庫切れによる機会損失を防ぎながら、過剰な在庫確保を抑制する運用が可能となり、業務効率の向上と適正在庫の維持を両立している。
一方、営業領域においては、組織・団体ごとの情報を管理するための基盤を構築した。現在は、試験運用を通じて機能改修を継続的に行いながら、現場業務に即した形へと段階的な改善を進めており、データを起点とした営業活動に向けた土台が整いつつある。
将来的には、在庫情報と組織・団体情報を横断的に活用しながら、各種分析や施策検討を高度化し、組織的かつ再現性のある営業活動へと発展していくことが期待されている。
アイチームのアピールポイント
アイチームでは、複数部門や外部ベンダーが関与し業務要件が複雑化する場合においても、以下のような支援が可能です。
- 事業構造や業務フローを踏まえ、現場運用まで見据えた要件整理と実践的な運用設計
- 統合PMとして、複数部門を横断する調整も含めた統合的なプロジェクト推進
- 外部ベンダーとの直接折衝を通じた、クライアント負担の軽減
- 現場の業務データを、経営・マネジメント視点で活用するためのシステム設計
- 導入後の改善を継続的に支援し、長期的な業務発展を見据えた伴走型サポート